リクドウ<松原 利光>

<あらすじ>

父親を失った少年・芥生リクは借金取りの元ボクサー・所沢京介と出会う。理不尽に満ちたこの世界で、人は何をよすがに生き抜くのか。戦うのか。人生という茨の道を歩む芥生リクの破格の拳闘ストーリー!
少年には何もない。その拳以外は。

 

<評価>★★★★☆

父が自殺し、更に母の愛人を殺した少年リク。人殺しと罵られながらも、父親の借金取りの一人であった元ヤクザの所沢からボクシングを教えられ、ボクサーの道を目指します。子供のころのリクが、自殺して首を吊った父親を、普段から虐待されていた仕返しとばかり殴っているのが非常に壮絶な描写ですが、その後も優しくしてくれた養護施設の先生がヤクザに強姦されたり、対戦相手を殺してしまったりと、かなりダークな展開が目立ちます。

ボクシング対決の描写も非常に詳細で迫力もありますが、ただのボクシング漫画というよりは、タイトルの通りリクの人生を描いた青春漫画という印象です。この漫画はとにかく幼馴染の苗代が非常にかわいいですね。リクが求めているのは母性であり、異性ではないのですが、はがゆさを感じながらもリクを温かく見守る苗代はヒロイン力MAXです。途中からちょっと王道ボクシング漫画のような展開になったり、あと終わり方があっけないのがやや残念ですが、非常におすすめです。

 

出典:リクドウ 14巻