<あらすじ>昭和31年、哭倉村は日本の政財界を裏で操る龍賀一族によって支配されていた。野心と密命を背負う水木は、龍賀家当主であった時貞の弔問を建前に、また鬼太郎の父は行方不明の妻を探すためにそれぞれ村を訪れる。一方、龍賀一族では、時貞の跡継ぎを巡り醜い争いが繰り広げられていた。そんななか凄惨な殺人事件が起き、一族の一人が殺されてしまう。
(出典:鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画)
<評価>★★★★☆
日本人なら誰もが知っているゲゲゲの鬼太郎ですが、最新作であるこの映画はかなり良かったです。横溝正史の小説に出てきそうな因習に囚われた一族と、閉鎖された村で起きる連続殺人事件、そして怪異の存在と、かなり暗鬱なストーリーで、事前情報でもかなり楽しみにしておりました。
実際見てみると主人公である水木(水木しげるその人を示唆していると思われます)と鬼太郎の父との相棒感が非常に良いですし、龍賀一族の面々もそれぞれ非常にキャラが立っており、また殺人事件の犯人というミステリーの観点からも二転三転して非常によく練られておりました。水木と一番良い感じになり、接し方も優しい沙代が怪しいなというのはすぐにわかるのですが、更なる黒幕のあの人はちょっと予測できませんでした。
PG12ではちょっと足りないのではないかと思うような残酷描写と、近親相姦ネタも時代背景とこの陰惨な村に非常にマッチしており、かなりハラハラされました。一番最後が墓場の鬼太郎につながるように終わらしているのは感動的ですね。
過去編ということで鬼太郎自体の活躍はほとんどありませんが、鬼太郎が生まれる前にこれほどのドラマがあったことを知り、アニメ版も再度見たいと思うようになりました。