背の眼<道尾秀介>

 

 

<あらすじ>

児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か? 第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

 

<評価>★★★★☆

背中に眼が映った不気味な写真、眼が映った人物が4人自殺しており、その真相を解明するホラー小説。文書がかなり読みやすく、また展開も早く非常に面白く最後まで読むことが出来た。「レエ……オグロ……アラダ……ロゴ……」という謎の言葉が、「ねえ、僕の体、どこ?」という言葉だったのは結構ぞっとした。また、ある人物の自殺の描写が非常に生々しく、また死の寸前に背中の眼を見るのが非常に怖い。

一応超常的な存在は示唆されているが、劇中の殺人事件に関してはすべて人間の仕業であることがのちに分かり、ホラーというよりはミステリー小説の要素も強い。

背の眼に関しては最初と最後では明らかに異なる印象を持つと思います。こちらは真備シリーズとして続編があるようなので、そちらも読んでみたいと思います。