翼くんはあかぬけたいのに <小花 オト>

<あらすじ>

美形だらけの同居生活、目指せお洒落男子?高校入学を京してきた翼くん。
住まいはなんと、表参道のオシャレシェアハウス!独特かつ致命的なファッションセンスを持つ翼くんと、オシャレだけど一風(かなり?)変わった同居人達との生活は波乱だらけで…?

 

<評価>★★★★★

以前からスマホマンガワンの広告に宣伝でたまに流れていたのですが、最近完結したようなので一気見してみましたが、これは傑作でした。

高校入学を機に上京しておしゃれなシェアハウスに暮らすことになった翼君ですが、彼自身はファッションセンスが最悪であり、またオシャレな人が苦手でたまらないため、住人と様々なドタバタを起こすことになります。

出典:翼くんはあかぬけたいのに 1巻

シェアハウスの住人達もオシャレですが、一癖ある人ばかり集まっています。イケメン美容師ですが、超がつくドMの隼人、スタイル抜群でアパレル勤務の美女ですが、変態レベルのカップリング厨である詩世、料理上手でカフェを経営するイケメンですが、厨二病気質の健二の3人はかなり個性的で、突っ込み役になるときもあればボケ役になることもあり、毎ページにギャグがちりばめられています。

特にお気に入りは1巻終盤から出てくる翼の高校の同級生である愛奈(まな)、愛称マナティー

学校のマドンナで、お嬢様、性格も良いという一見完璧超人ですが、実は翼にベタ惚れしており、その妄想は時にかなりぶっ飛んでいます。翼関連ではかなり空回りすることもあり、翼が風邪を引いた際にお見舞いにシェアハウスに行こうとしますが、その道中で急遽勝負下着を買う始末。翼の汗を拭こうとして、間違えて脱いだパンツを出してしまい、住人達がピラミッドの壁画のようになります。

 

出典:翼くんはあかぬけたいのに 2巻

何故か初対面の筈の他の住人にもマナティー呼びが浸透しているのは草。

めぞん一刻と似たような、共同生活を行っている中で住人、隣人同士が織りなすドタバタが非常にセンス良く(翼くんはセンス悪いけど笑)描かれております。

住人の中でもいくつか恋愛事情が進展することになり、翼とマナティーの関係性も徐々に変化することになっていきます。マナティーが何故翼を好きになったのかのいきさつはややシリアスに最終巻で明らかにされますが、非常に綺麗で、納得いく理由でした。

終わり方もさわやかですっきりしていますので、おすすめの傑作です。

ちょっとだけ難点をあげるとすると、もともと桃子も翼に淡い想いを感じていたと思うのですが、そこを吹っ切る描写が少し不足していたこと、いくつかの登場人物の最後の描写はちょっとあっさりしているような気は致しました。

ただ、マナティー推しの自分にとっては非常に良い終わり方でした。最終巻の表紙だけで泣けてきます。

そのうちアニメ化とかしそうですね。